EKIPICK座談会

新規事業提案の社内コンペプロジェクト「燈台」に応募され、「EKIPICK」というアイデアで事業化が決定した山田さんと笈川さんにお話しを伺いました。

まずは業務についてお聞かせください。

山田

山田

入社してから駅ビルのリニューアルや新規開発といった、いわゆる開発という仕事にずっと携わってきました。今は新規事業の「EKIPICK」を専属でやっています。ちなみに笈川くんとは2010年の同期入社なんです。

笈川

笈川

私はシャポー船橋という駅ビルの運営業務を経て、お客さま・働くスタッフの声を施策に反映するCS・ESの仕事に携わったり、駅ビルのリニューアルや新規開発を担当するなど、ショッピングセンターに関わる開発から管理運営までほぼ全ての仕事を経験してきました。今はポイントカードのデータ分析を担当しながら、山田くんと一緒に新規事業を進めています。

Q1.「燈台」とはどういうプロジェクトでしょうか?

山田

会社の創業30周年プロジェクトの一環で、“社員と会社が次の30年への一歩を踏み出す”というコンセプトのもと、社員から新規事業のアイデアを募り、事業化に向けて検討するという2019年に始まった新規事業提案の社内コンペです。

笈川

審査は書類、面談、プレゼンテーションの三段階で行われ、社内だけではなく社外の審査員からもジャッジされます。提案したアイデアが認められれば、事業化に挑戦できる権利を獲得することができます。

山田

「燈台」は、手を挙げれば誰でも参加できます。個人で応募する人もいれば、チームで臨む人もいます。

笈川

私も山田くんも、はじめはそれぞれ個人で応募する予定でした。

山田

応募のタイミングで、僕が考えた案と笈川くんが考えた案を一緒に提案しようということになったんです。

笈川

残念ながら私の案は面談で落ちてしまいました。山田くんの「EKIPICK」案が審査を通過したので、二人で進めようということになりチームを結成しました。

Q2.「燈台」になぜ応募しようと思ったのですか?

笈川

私自身、ショッピングセンター事業本部での業務経験が非常に長かったこともあり、これまでとは違うもっと新しい経験がしたくなったというのがいちばんの理由ですね。

山田

2019年ごろ、世の中は人手不足に悩まされていた時期でした。商業施設の営業時間もどんどん短縮する流れになり、仕事帰りに食品を買いたくても買えないという状況が広まりつつありました。閉店後に食品を買える仕組みを何とか作れないだろうか。その想いが応募につながり、「EKIPICK」案が生まれるきっかけにもなりました。

Q3.その発案された「EKIPICK」案について教えてください。

山田

駅ビルの営業時間外に店舗側は人手をかけずに商品を販売でき、お客さまはその商品をその場で受け取れるというサービスです。駅で商品をピックアップすることから「EKIPICK」と名付けました。

笈川

当初の案として、駅ビルの中にロッカーが設置されていて、アプリで事前に注文した商品をそのロッカーで受け取れるサービスがいいのではないか、という考えで検討を進めていました。

山田

ただ、一次選考を通過したものの、駅ビルが閉まった後に商品を購入したいというニーズが本当にあるのかどうか、仮説はありましたが、それを確かめる必要がありました。

笈川

そこでシャポー船橋の閉店後の21時から22時半までお寿司50個をゲリラ的に臨時販売してみたんです。初日から1時間も経たないうちにお寿司は完売。この実証実験で手応えを強く感じたのを覚えています。

山田

実証実験の結果は、最終選考のプレゼンに向けて大きな自信となりました。

Q4.最終選考のプレゼンはいかがでしたか?

山田

外部企業の審査員もいるので、今までとは違う、スタートアップ企業が投資家に向けて説得するようなプレゼンが求められました。プレゼン動画なども参考にしながら当日まで毎日練習しました。

笈川

時間が6分半と短いので、臨時販売の様子を動画で見せながら、「EKIPICK」はこんなにお客さまに必要とされているということを強く印象づけました。

山田

プレゼンではすべてを出し切った感がありましたね。これでダメだったらしょうがないと思っていました。

Q5.事業化挑戦権を獲得したときのお気持ちは?

笈川

新しいチャレンジなのですごく面白そうだし、楽しみではあったのですが、どちらかというと不安の方が大きかった気がしますね。

山田

初めての試みなのでどう進めていけばいいのかとか、抱えている今の仕事はどうするのかとか。ただ、社内的に応援してくれる雰囲気だったので、それはすごく助かりました。

Q6.本格的な事業化に向け、どのように進めているのでしょうか?

笈川

「EKIPICK」は、今はロッカーでの受け取りではなく、その場で買える無人販売サービスとして検討を進めています。サービスそのものは既にスタートしていて、どんな什器やレジにするのか、決済手段はどうするのかなど、細かな部分を最終的に詰めている段階です。

山田

例えば什器ですが、世の中に今ないものを作ろうとしているので、どうすればより使いやすくなるのかをパナソニックさんと意見を出し合いながら一緒に改良を重ねています。

笈川

商品管理上のセキュリティの問題や、さまざまな方が利用される駅ビルならではのサービスづくりなど、まだクリアすべき課題はありますが、周りの意見を聞きながら、ひとつずつ解決しています。

山田

今年の3月末までにカタチにして、4月からショーケースの生産に入り、秋ぐらいから駅ビルやエキナカに30台ほど設置し、新たな事業として本格的に始動する予定です。

笈川

ゆくゆくは300台くらいを計画。いろいろな場所に設置して、より多くのお客さまを笑顔にしたいですね。

Q7.新事業に取り組んで何か変化はありましたか?

山田

新しい事業なので、経験値に頼ることができず、一から勉強したり、考えたりしました。そういう意味で仕事の進め方を含め、初心にかえった感じがしますね。

笈川

「EKIPICK」は事業としてまだ小規模なので日々の売り上げがリアルに分かるのですが、その収益面からもお客さまが本当に必要なものは何かとか、この年代の方の視点だとこんな風に考えるよねとか、お客さまが何を求めているかを今まで以上に考えるようになりましたね。

Q8.最後に学生の皆さんにひと言お願いします。

山田

当社には、新しいことにチャレンジできる土俵があるので、今までの枠にとらわれない感覚を持っている人や幅広いことに興味がある人に、かなり向いていると思います。いろいろチャレンジできる会社として、他の駅ビル会社の方やJRグループ会社以外の方から羨ましがられているくらいです。

笈川

ショッピングセンターもあれば、高架下の管理もある。住宅・マンションの賃貸やフランチャイズの飲食もある。それに加えて新規事業で全然違うこともやれる。こんな会社は、たぶん珍しいのではないでしょうか。

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